【感想とおすすめポイント】わたしの知る花/町田そのこ

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ご覧いただきありがとうございます。

今回ご紹介する一冊は町田そのこさんの
「わたしの知る花」です。

愛の物語であり、人生の物語。

樹の年輪のように長い年月をかけ、
積み重なったような深い深い物語。

町田そのこさんの切なく温かい物語が
この本にもあります。

では、あらすじと個人的なポイント、
感想をご紹介します!

※できる限り具体的なネタバレを避けています。少しでも知りたくない方はご注意ください。

あらすじ

ある男が言う。

「あんたは、俺から花を
   
  もらってくれるのか」

その男は、虫も殺せぬ優男

そんな男が…結婚詐欺師…?

ある日、町に現れ、

77歳のある日、静かに孤独死した。

しかしそこには、誰も知らない
波瀾に満ちた意外な人生があった。

ひっそりと咲き続ける花のような男を
あなたはどう見て、どう感じるか。

*一人の男と花を巡る物語*

主役は謎の老人?

まずタイトルから女性の物語だと
イメージしました。

ところが、物語に現れたのは、
謎の老人

結果的にこのおじいさんから
“こんな物語が広がるのか…”

と、思わず唸ることになりました。

町田そのこさんと言えば、
切なくとも温かい物語。

これが真骨頂であり、度々、
読者の琴線に触れてきたわけです。

ただ、今回は謎のおじいさんが主役。

いつもの”切なく温かな物語“を
期待してるんだけど…

大丈夫…?

という感じだったんですが、
そこはお見事

おじいさんの背景(過去)を知るほどに
ジワジワと心を動かされます

そして、『なんでこうなるの?』
切ない気持ちもいっぱいに…。

物語の中で実際に出会えば、
不思議な魅力があるのでしょう。

なんと言えば良いのか…

タイトルから感化されてるようですが、
花のような男とでも言っておきます。

決して主張することのない、
片隅に咲いている花でしょうか。

とにかく読み終わって数日経っても
心に残る物語だったなと思い出します。

若い世代にもおすすめ

10代後半~20代の若い世代にも
是非読んでほしい1冊です。

読んでいくと、物語に華やかさは
ないんですよね。

登場人物の誰もが、
それを求めているわけではない。

繊細で深い物語ではあるので
歳を重ねた大人の物語かもしれません。

実際に歳を重ねるごとにこの物語が
深く刺さるかもしれません。

しかし、大事なのは今。

目の前の思い通りにいかない人生
どう向き合うかだと思うのです。

『将来後悔しないようにね』
『目の前の人を大事にね』

なんてことが物語が滲み出てるんです。

幸せも悔いも罪もすべてを背負った
その姿で静かに語っているんです。

その姿を醜いと感じるのか、
美しい、愛おしいと感じるのか。

是非、今の自分がどう感じるのか
読んで問いかけてみてはと思います。

最後に

町田そのこさんや登場人物が大事にした一人の男の物語。

今にも壊れそうなのに、
誰も壊そうとはしない。

人生には予期せぬこともあります。

それでも、そこに咲く花があります。

それを踏みつけてしまうようなことは
したくないなと思いました。

大切な物語が収まった1冊。
是非、読んでみてください。

最後まで読んでくださり、
ありがとうございました!

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