【感想とおすすめポイント】クスノキの番人/東野圭吾

おすすめ本

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ご覧いただきありがとうございます。

今回ご紹介する一冊は東野圭吾さんの
「クスノキの番人」です。

2020年に発売当初に一度読んだんですが、
2023年に文庫化されたものを再読しました。

この本、本当に大切なことが書かれていました。

再読して、この本の良さに気付き、
読み終わってからもずっと心に残っています。

『不思議で温かな物語』とまとめるには
もったいない…。

SFやスピリチュアルな要素があるというのも
なんだかしっくりこない。

主人公の成長過程も惹きつける要素ですが、
それ以上に”気付き”のある物語なんですよね。

ネタバレなしでその魅力を
最大限お伝えできればと思います。

あらすじ

不当な理由で職場を解雇された。
その腹いせに罪を犯し逮捕された玲斗(れいと)
この物語の主人公です。

そこに弁護士を通じて現れた人物がこの物語の
最重要人物とも言える伯母の千舟(ちふね)

なぜこの伯母が登場することになるのか。
多くの謎に包まれる中、物語の序盤が進みます。

この千舟が緩やかな物語に
ピリッとした要素を加えてくれます。

弁護士を依頼したのも、千舟。

そして、玲斗へあることを託します。

“あなたにしてもらいたいこと、
それはクスノキの番人です”

突如、託された使命に玲斗はどうするのか。

クスノキの正体とともにこの物語の大切な想いが
届きますように。
_____________________

では、おすすめのポイントや感想を
お伝えします。

今の時代に読みたい1冊

最初に読んだ時には『不思議な物語だったなぁ』
くらいの印象だったと思います。

ところが、
再読した後はまったく違ったんですよね。

これは『今の時代に読むべき1冊だ』
と思ったんです。

今はSNSやブログ等で個人が自分の言葉
簡単に誰でも発信できる時代ですよね。

ところが、口にする言葉や目にする文章では
到底伝わり切らない想いってあると思います。

だからこそ、時には湾曲され、
間違った形で一人歩きしてしまいます。

ここに怖さ諦めを感じたり、
過度に人の目を気にするかもしれません。

そんな中、クスノキは”想いを伝えること”の
大切さやその本当の力を教えてくれます。

気持ちを言語化するのとは、
また次元が違うんですよね。

特に中盤以降は実生活と照らし合わせながら、
読み込んでいただきたい部分です。

人は想いが伝わったり、知ろうとした時に、
ようやく本気で動けるんだと思います。

クスノキの正体の根幹部分なので、
深く語れませんが、

実際に読んで感じてもらいたいです。

玲斗の成長とクスノキの存在

祈れば願いが叶うとされているクスノキ。

最初は迷信や都市伝説のような存在に
感じるかもしれません。

実際にこのクスノキは、
昼と夜の顔がまったく異なります。

物語は何かおもしろい事件や現象を
期待する方もいると思います。

ところが、
物語序盤はむしろ退屈に感じるかもしれません。

クスノキには長い年月をかけ、来るもの拒まず
ゆったりとした時間軸が存在している序盤。

物語が進んでいくことで、クスノキの力が
じわじわと明らかになっていきます。

クスノキの存在は迷信等では片づけられない
偉大な存在だということに気付かされるんです。

そんなクスノキの存在と登場人物の千舟とも
重なる部分が多いなと感じました。

そして偉大な存在に見守られた玲斗は
物語を通して成長していきます。

この成長する姿が魅力の1つになっています。

クスノキの正体が明らかになっていくにつれて
どんどん成長速度が上がります。

玲斗と同じ世代の登場人物が出てくることも
ポイントの1つです。

クスノキの存在とその番人である玲斗の成長が
若い世代の登場人物も動かしていきます。

クスノキはどんな時代にも通じる力
目覚めさせる存在なのかもしれません。

読み進めるにつれ、この物語の神髄を
理解していくことになります。

最後に

物語を読んで『これって実生活でも重要だな』
感じることってありませんか。

そういう本に出会えた時、やっぱり読書って
奥深い趣味だなって思うんです。

このクスノキの番人は文庫化もしているので
再読することもおすすめです。

そして、続編として『クスノキの女神』も
出版されています。

こちらもさらに進化を遂げた主人公と
さらなる力を発揮するクスノキに注目。

何より東野圭吾さんの本は
読みやすさもおすすめできるポイントです。

是非、このクスノキの物語を
読んでみてください。

最後まで読んでくださり、
ありがとうございました。

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