【感想とおすすめポイント】逆ソクラテス/伊坂幸太郎

おすすめ本

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ご覧いただきありがとうございます。

今回ご紹介する一冊は伊坂幸太郎さんの
「逆ソクラテス」です。

伊坂幸太郎さんのデビュー20周年目の
作品となります。

2021年本屋大賞ノミネート。
第33回柴田錬三郎賞受賞。

伊坂幸太郎さんと言えば、
巧妙な伏線回収が代表的な特徴。

ユニークな作風と相まって、
とにかく読者を魅了してくれます。

そして今回の『逆ソクラテス』。

子どもが中心人物となる物語で、
これがまた新鮮なんです。

そして自分の見ている世界こそ、
もっとユニークであって良い。

そんな気持ちにさえしてくれる
一味違った作品なんです。

では、あらすじと個人的なポイント、
感想をご紹介します!

※できる限り具体的なネタバレを避けています。少しでも知りたくない方はご注意ください。

あらすじ

■逆ソクラテス

カンニングから始まった作戦。

クラスメイトを巻き込み、
思いもよらぬ結末を迎える。

■スロウではない

運動音痴の少年がリレー選手に!?

運悪く引いたくじ引きが
衝撃の結末を招く。

■アンスポーツマンライク

最後のミニバス大会。

惜しくもあと一歩が届かない…。

しかし、戦いはこれからだ。

全5編の短編集。

敵は、先入観。
“世界をひっくり返せ!”

目の前の世界は”逆さ”

タイトルに影響されてそうですが、
読んでいて思ったんですよね…。

実は目の前の世界って

“逆さ”では?

正しい向きで世界は回っていると
思っていますよね?

いや、それが普通なんです。笑

ところが、この本を読むと、
目の前の世界を疑いたくなる。

大人への成長とともに、
身体面だけでなく精神面も成長します。

ところが、もう一つ厄介なものが
大きくなっていくのです。

それが ―先入観―

自由で広い世界がこの先入観により、
狭く窮屈にしているわけです。

子どもを登場人物として選んだのも
大きな意味があるということです。

子どもは先入観だらけの世界を否定し、
自由な世界で生きるもの。

成長することで窮屈になるなんて
私たちの見ている目の前の世界って…

なんだか逆じゃない…?

もっと自由で良くない…?

と思わず現実を否定したくなりました。

絶妙な心構え

物語には是非とも身に付けたい
大切な心構えが出てきます。

これが物語の爽快感に繋がり、
読了後の清々しさの源です。

もちろん、具体的なことは、
ネタバレなので書かずにいきます。

是非、自分の子どもにも
身に付けてほしいと思うことなんです。

まさに
”大人の必読書”
“子どもに贈りたい1冊”

というように評されるのも納得の
この『逆ソクラテス』

ところが、個人的には
諸刃の心構えだとも思うのです。

正しい心構えで世界に向かっても
なぜか自分がダメージを受ける。

理不尽さを感じることも
少なからずあるかと思います。

そんな葛藤や矛盾もこの物語から
感じることができます。

それを踏まえても今から身に付けたい
絶妙な心構えが書かれています。

人生を切り開く必殺技が
ここにあり。

最後に

やはり目の前にある世界は
もっとユニークであってほしい。

油断するとすぐに目の前の現実は
窮屈なものになってしまいます。

子どもに将来好きなことをすれば良い
と言ったところでどうでしょう。

好きなことをして楽しんでいる姿を
自分が見せているでしょうか。

『中々現実って厳しいから』なんて
思ってしまうなら、

逆に子どもに教えてもらいましょう。
この本で!

ということで、興味のある方は
是非、手に取ってみてください。

最後まで読んでくださり、
ありがとうございました!

〇文庫版

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