【感想とおすすめポイント】楽園の楽園/伊坂幸太郎

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ご覧いただきありがとうございます。

今回ご紹介する一冊は伊坂幸太郎さんの
「楽園の楽園」です。

デビュー25周年記念の
書き下ろし作品。

『それにしては本の厚みが

        …薄すぎない?』

分かります分かります。

ただですね、短編に
これだけ詰まっているのか、と。

逆にこう思ったんですよね。

その理由もおすすめポイントなので、
解説していきたいと思います。

※できる限り具体的なネタバレを避けています。少しでも知りたくない方はご注意ください。

あらすじ

世界は急速に混乱に陥った。

これらすべての原因は、
謎の人工知能『天軸』の暴走。

そう考えられた。

大規模停電、強毒性ウィルスの蔓延、
飛行機墜落事故が立て続けに発生。

そこに選ばれし3人、

・五十九彦(ごじゅくひこ)
・三瑚嬢(さんごじょう)
・蝶八隗(ちょうはっかい)は、
天軸を所在を探る。

人工知能の開発者が残したという
巨大な樹の絵画『楽園』を手掛かりに…。

旅路の果てに待つ結末とは…。

ボリュームを覆す奥深さ

『もっと長めの話が読みたい』

面白いからこそ、さらに欲するという
正直な感想も多いこの作品。

確かに長編物が読みたいという
気持ちには素直に賛同します。

ただし、この作品に関しては
むしろ意図されていると思うんです。

本の薄さ以上に“物語の余白部分”
堪能すべきだと思ったんです。

そんな余白よりも、
“物語や答え”のようなものが欲しい!

この素直に思う気持ちがそのまま、
物語の理解にも繋がると感じます。

つまり、考える余白の部分が
よりこの作品、物語を奥深くします。

そうならなければ、私たちの向かう未来に
明るい未来はない。

そういう“危機感や警鐘”すら
含まれているのかもしれません。

これから私たちに必要なもの

AIの技術は日進月歩で、
これからは欠かせないものになるでしょう。

ところが、本当に必要不可欠なものが
AIと言えるのだろうか。

個人的にはそんな疑問を浮かべました。

そこで、タイトルの意味を考えました。

『楽園の楽園』とは?

“楽園から見た楽園”なのか。
“楽園の中の最上級の楽園”なのか。

あえて自分がどちらを考えたかは
伏せますが、これも奥深いなと思います。

『本当の理想の姿とは何か』
ということを問われている。

今後、私たちの生活に足りなくなるものが
この物語にはあるように思うのです。

だからこそ、
読んでみてほしいのです。

心がけたいこと

自分なりに今後心がけたいことを
考えてみました。

一本の大きな樹を想像してください。

真っすぐ伸びている姿を想像する方は
多いかと思います。

ところが、本当は所々曲がりくねったり
二又に分かれているかもしれません。

これが“本当の自然な姿”であると思います。

AI等の台頭で忘れてはいけないのは
この“自然さ”だと思うのです。

このブログ記事も文章生成AIだと
もっと上手な文章になるでしょう。

ところが、どこか微妙に不自然さが
生じてしまうと思うんです。

つまり、今後はこの“自然さ”
常に忘れないことだと思うんです。

私たちの世界は、“自然という根”
張り巡らされ、それが基盤です。

最後に

この作品には所々で、
“挿絵のページ”が挟まります。

これがまた、余白の役割
果たしているように思うのです。

一気に読もうと思えば読めてしまう中、
一度立ち止まる時を作る。

そういった時間が本の中にある
というのも良いなと思えました。

この作品は読み終わってからも
様々に考えを巡らせるような1冊です。

そんな読書体験をさせてくださる
伊坂幸太郎さん。

25周年の先もまだまだ、
楽しませてくださる作家さんですね!

最後まで読んでくださり、
ありがとうございました!

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