【感想とおすすめポイント】ただいま神様当番/青山美智子

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ご覧いただきありがとうございます。

今回ご紹介する一冊は青山美智子さんの
「ただいま神様当番」です。

青山美智子さんの温かな物語は
読者を前向きにしてくれます。

この物語でも何気ない日常を前向きに、
そっと、調律してくれるような1冊です。

そんな素晴らしい小説なんですが、
今回はクスッと笑える要素もあります。

【こんな方に特におすすめ】
・気持ちが沈みがち…
・私って運がないなって思う…
・なんか毎日が同じ繰り返し…

そんな方には特におすすめの1冊だと思います。

では、あらすじと個人的なポイント、
感想をご紹介します!

※できる限り具体的なネタバレを避けています。少しでも知りたくない方はご注意ください。

あらすじ

“神 様 当 番”

朝起きると手首から腕にかけて
書かれていた文字…。

そして…
そこに現れるおじいさん。

「お当番さん、わしを楽しませて」

どうやらこのおじいさん…
神様らしい!?

文字は消えないし、突如現れた
神様らしいおじいさんにも困惑。

運良く!?神様当番に選ばれたのは――

・印刷所の事務員
⇒幸せになる順番を待つのに疲れている

・小学生の女の子
⇒理解不能な弟にうんざりしている

・男子高校生
⇒SNSでつながった女子にリア充と思われたい

・外国語教師
⇒大学生の崩れた日本語に悩まされる

・ワンマン社長
⇒部下が気に入らない

果たして、
彼ら、彼女らに託された神様当番とは?

わがままな神様

最初にタイトルを見た時に
主人公が神様になるんだなと想像しました。

そうなると、神様になった上で、
好き勝手にできるんだろうか。

なんて考えていたのに、
現れたのが奇想天外なおじいさん…。

神様頼みという言葉はありますが、
この神様はちょっと違います…。

「わし、神様」の一言で
とにかくわがままに振る舞うんです。

ところが、読んでいくと印象が変わります。
〝わがままにしては気が利く〟

まるで、目の前に『幸運のきっかけ』
落ちていることを暗示するかのように。

運に頼ったり、神様に頼るのではなく、
本当に運がいい人とは…、

つまり、チャンスをものにする人とは、
どういう人なのかが読み取れます。

そういえば少し前に話題になった本で、
『科学がつきとめた「運のいい人」』

という本がありました。

運というのは今の自分をどう生かすか。

この2冊通じる部分があるなと、
思い出すこともありました。

それはさて置き、

この物語はエンタメ要素だけではなく、
大事な気付きを与えてくれます。

さすが青山美智子さんらしい
物語だなと思いました。

日常の捉え方がポイント

この物語はある場面が起点となり、
そこからどんどん広がっていきます。

実はこのある場面というのが、
本の装丁になっているんです。

物語が進むごとに、このいつもの場面が
変化していくのもおもしろいんですよね。

では、どんな変化なのかと言うと、
つまりは『日常の捉え方』なんです。

この神様によって何が起きるかというと、
特別なことではないんです。

ただ、自分を含め、ほとんどの方が
やりたくてもできないことなんですよね。

特別ではないけど、簡単でもない。

この壁のようなものを乗り越えた
登場人物は実に爽やか!

物語の展開登場人物の内面の変化
見事にシンクロしていくんです。

これがすごく気持ちの良い読了感にも
繋がっていくのでおすすめです。

最後に

登場人物には親近感があります。

どこかで見たようであったり、
もしくは自分に近い人物かもしれません。

これがまた説得力のある物語の
重要な要素なのだと感じました。

そして、日常とは想像以上に、
不自由なんもんだなと、思います。

ただ、その不自由さを作り出すのは、
神様ではなく、自分なのかもしれません。

「これって本当はどういうこと?」と、
日常に疑いを持ってみるのも一つです。

日常生活の心構えを見直す1冊。
是非、読んでみてください!

最後まで読んでくださり、
ありがとうございました。

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