【感想とおすすめポイント】リカバリー・カバヒコ/青山美智子

おすすめ本

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ご覧いただきありがとうございます。

今回ご紹介する一冊は青山美智子さんの
「リカバリー・カバヒコ」です。

カバリー・カバヒコ〟

ダジャレのようなタイトルに、
装丁のカバがなんとも、味わい深い。

絶対に青山さんらしい温かくありながら
前向きにさせてくれる1冊に違いない。

初めて見た時から感じていました。

そしてその通り。

この本には青山ワールドが広がり、
乱れた心を調整してくれる1冊でした。

2024年本屋大賞7位。
青山さんの神髄が詰まった物語。

では、あらすじと個人的なポイント、
感想をご紹介します!

※できる限り具体的なネタバレを避けています。少しでも知りたくない方はご注意ください。

あらすじ

その公園には都市伝説付き
カバのアニマルライドがある。

自分の治したい部分と同じ部分を触ると
回復するという伝説だ。

人呼んで、
 『リカバリー・カバヒコ』

公園の近くにあるアドヴァンス・ヒルに
住む人々はそれぞれの悩みを打ち明ける。

ある少年は頭脳回復を願い、頭を。

あるママはママ友たちになじめず、
上手く言葉にできない為、口を。

誰もが抱く小さな痛みをきっかけに
自分を見つめ直す。

カバヒコが紡ぐ連作短編集。

最高に味のある遊具

アニマルライドとはつまり、
動物の上に乗る遊具のこと。

小さな子が遊ぶには良いのですが、
正直なところ…

動物の上に乗るだけと言えば、
それまでの遊具なんですよね。

ところが、このカバは
最高に良い味を出している!

しかも、“都市伝説”“ニックネーム”付きで
癒しのアニマルライドなんです。

既に装丁でカバヒコが登場しているので
印象的で想像もしやすいですよね。

1話終わるごとに毎回
カバヒコの姿形が説明されます。

この繰り返しにより、どんどん
愛着も増していきます。笑

物語に込まれるメッセージも
アニマルライドを通じて伝わってくる。

この不思議で優しく、温かい物語。

これこそ、青山ワールド

自分を見つめ直すこと

カバヒコに癒されながらも込められた
メッセージは身に沁みます。

リカバリーは回復という意味ですが、
元通りになるというわけではありません。

ここが物語を通してポイントになります。

このポイントを詳しく語りたいのですが、
やはり読んでいただきたい部分。

リカバリーのレパートリーは様々です。

そしてこれが生きる上で、
非常に大切なことだと考えさせられました。

結局、人は自滅することが多いです。

耳は人の言葉よりも
日々の自分の言葉を良く聞いています。

話す言葉だけでなく、毎日毎日、
心の声も聞いています。

目の前のことや本来の自分から
逃げれば逃げるほど、どうなるでしょうか。

話す言葉や心で思う言葉は
マイナスになるでしょう。

そんなマイナスな言葉や声を聞くことで、
自分を追い込んでしまうものです。

この負の連鎖からいかに抜け出せるか。

そして、その負の連鎖に、
いかに早く気付くことができるか。

このカバヒコは

リカバリー・カバヒコという本は、
自分を見つめ直す1冊。

リカバリーすることはもちろん、
前へ進めてくれる物語とも言えます。

最後に

温かな物語の中に茶目っ気を加える。

そんな青山美智子さんの遊び心
読者を楽しませてくれます。

それでいて、私たちが大切にすべきことが
物語を通じて伝わってきます。

1つ期待していることは、今後の作品に
このカバヒコが再登場すること。

青山さんは気に入った登場人物を
他の作品にも登場させることがあります。

いつかカバヒコ自身がリカバリーされて
再開することを楽しみにしています。

最後まで読んでくださり、
ありがとうございました。

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