【感想とおすすめポイント】八月の御所グラウンド/万城目学

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ご覧いただきありがとうございます。

今回ご紹介する一冊は万城目学さんの
「八月の御所グラウンド」です。

第170回直木賞受賞作!

温かさと切なさに、
非日常が入り組んださすがの1冊。

読み始めるとすぐに香る。
あの世界観…。

京都に巻き起こる二編の物語に
思いもよらぬ不思議あり。

では、あらすじと個人的なポイント、
感想をご紹介します!

※できる限り具体的なネタバレを避けています。少しでも知りたくない方はご注意ください。

あらすじ

京都で、幻のような出会いが
2つのドラマを生む。

女子全国高校駅伝で
ピンチランナーを任された女子高生。

その子はとんでもなく
方向音痴であった。

そんな女子高生が挑んだ先に
何を見たのか…。
__________________

借金のカタに草野球大会へ
参加する羽目になった大学生。

時は早朝、場所は御所G(グラウンド)。

その大会は“たまひで杯”と呼ばれ、
歴史ある大会であった。

死んだはずの名投手との
プレーボール。

京都が生んだドラマは
不思議な奇跡の物語だった…。

不意打ちのユーモア

(あら…?)

普通に良い物語。

と、本当に失礼ながらも
思わず心の声が漏れました。

万城目学さんと言えば
奇想天外・摩訶不思議。

どうなってそうなるのという
いわゆる万城目ワールドが特徴です。

万城目学さんの表現する世界は
『小説っておもしろいなぁ』

と、シンプルに感じさせる力があり、
読者を虜にするのです。

ところが今回はまた一味違います。

読み進めるごとに、
様々な感情が湧き出てきます。

ユニークさとは違った
切なさや、やりきれない思い…

しかし、

不意に投じられる
非日常のユーモア。

この不意打ちがあるから
さらに物語は疾走するのです。

そりゃそうだな、と。

これが万城目さんの物語。

ただ奇をてらったものではなく、
もうこれは名人芸の域

もう心地いいくらいの
不意打ちなんです。

ただただ、楽しく読める1冊。
おすすめです。

京都が生み出す現実感

過去作でたびたび舞台となる京都。

読んだことがあれば、
お馴染み感があるかと思います。

〇デビュー作『鴨川ホルモー』

今回はそれだけでなく、
京都であることの必然性も感じました。

特に表題作『八月の御所グラウンド』
京都×夏×お盆が掛け合わさります。

例え、不意打ちの非日常が起きても
『あぁ…京都らしいな

というように、どこか現実味があり、
納得してしまうところもあります。

それだけ特別で素晴らしい場所だと
個人的にも思うのです。

なぜか現実味を感じさせるのは、
本当にさすがだなと思います。

本当に小説のおもしろさが
ここにあり。

京都って、物語の雰囲気を
独特に彩ってくれるなと感じます。

何かが起きても不思議ではない。

現実感を感じさせる舞台もポイント!

最後に

今回読んで一つ疑問に思ったのは、
なぜ2編に分けたのか、です。

最後までこの謎が分からず、
悔しいなと思いました。

共通点はあるけど、それぞれに
強い意思を感じる2編

だからこそ、なぜ2編にしたのか…。

ただ、今回の作品の続編にあたる
『六月のぶりぶりぎっちょう』発売。

これによって、自分なりの解釈が
生まれました。

そうか。

これはもっと長い目で見た
短編集のようでもあるのかも。

短編集というより、兄弟や親戚?
のような関係性なのかも。

なんて、想像が膨らみました。

是非、続編までたっぷりと
楽しんでいただきたいです!

最後まで読んでくださり、
ありがとうございました!

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