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ご覧いただきありがとうございます。
今回ご紹介する一冊は青山美智子さんの
「月の立つ林で」です。
デビューから5年、
記念すべき10作品目。
そんな節目の作品は、
やっぱりこうでないと!
と、思わず心の声が漏れる物語でした!
まだ1冊も読んだことないという方も
これまでの積み重ねがここにあります。
節目の1冊から楽しんで、過去作で
どんどん深堀りするのもおすすめです。
では、あらすじと個人的なポイント、
感想をご紹介します!
※できる限り具体的なネタバレを避けています。少しでも知りたくない方はご注意ください。
あらすじ
『ツキない話』
それぞれが耳にした
月に関するポッドキャスト。
そのポッドキャストはタケトリ・オキナ
という男性が配信していた。
長年勤めた病院を辞めた元看護師や
売れない芸人。
つまずいてばかりの日常。
二輪自動車整備士、アクセサリー作家、
親から自立したい女子高生…。
月に関する語りに心を寄せながら、
新しい日を大切に…。
欠けがえのない毎日を紡いでいくー。
思い浮かべるのはデビュー作
探せば似たような人が身近にいそうな
想像しやすい登場人物。
垢抜けないし、なんだかネガティブな
薄暗さもまとっている。
そんな人物にもそれぞれの物語があり、
気付かないところで繋がるのです。
その繋がりが登場人物を動かす。
まさに思い浮かべるのは
デビュー作『木曜日にはココアを』
本来、日の当たらない登場人物に
スポットライトを当てる。
これが青山美智子さんの作風で
温かな物語を生み出すのです。
太陽の光が反射することで光る月は、
まさにぴったりだなと嬉しくなりました。
是非、デビュー作や過去作も
一緒に楽しんでみてください!
↓過去作紹介&新作情報も載せています↓
忘れがちな日常の大切さ
青山さんの物語はありのままを受け入れ、
その後に気付きが溢れます。
視点を変えれば、世界の見方が変わり、
行動するきっかけとなるのです。
これは青山美智子さん自身の
“当たり前を当たり前と思っていない”
“目の前に大切なものがあり、
それを見逃しているだけなんだ”
というような“考え・人生の姿勢”を
感じるんです。
一歩ずつが自分を救う。
忘れがちな日常の大切さを
取り戻していくような読書時間。
皆さんにも体感していただきたいと思います。
最高に良い”物語の空気感”
感涙必死の感動作だというのは
否定するつもりはありません。
ただし、感涙というよりは
静かで力強い感動という印象です。
これこそ青山さんの物語の特徴だと
思っているので、好きなんですよね。
そして、物語の空気感を作る
今回のキーポイントが2つ。
『月』と『ポッドキャスト』
青山さんの物語の特徴は、
人物の視点がどんどん変わること。
つまり、1章目で主役ではなかった人物が
2章目では主役になっていたりします。
主役を光、脇役を影とするなら、
影に光を当てるというのが特徴です。
何を“キー(鍵)”にするのかで、
青山さんの着眼点が良く分かります。
太陽ではなく、月。
YouTubeではなく、ポッドキャスト。
たくさんの情報が目に入る現代。
日中に行き交う人々の喧騒。
こういったものから少し距離を置いた
絶妙なチョイスが物語の空気感を作ります。
だからこそ、より感じるのです。
ホッとするような優しい温かさと
ジワジワ湧いてくる活力の両面を。
是非、この読後感に浸ってみてください。
最後に
余談なんですが、青山さんの本には
ハンドメイド作家が良く登場します。
作家に限らず、自分の作品を作ったり
自分の店を持つ人物が多いです。
今回もアクセサリー作家が登場します。
ハンドメイドの作品自体が
好きなのかなと思うんですが、
自分のやりたいことで自立する方を
応援する気持ちを感じます。
勝手な想像ですが…。笑
何かやってみたいけど、
一歩も踏み出せていない。
そんな方にも青山さんの本は
強い味方になってくれるのです。
是非、手に取って読んでみてください。
最後まで読んでくださり、
ありがとうございました!
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