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ご覧いただきありがとうございます。
今回ご紹介する一冊は小川哲さんの
「君のクイズ」です。
2023年本屋大賞の6位にランクインした作品です。
※できる限り具体的なネタバレを避け、本書の魅力を伝えたいと思います。
あらすじ・概要
発売日 | 定価 | 出版社 |
2022/10/7 | 1540円 | 朝日新聞出版 |
ページ数 | 所要時間の目安 | |
192P | 約3~4時間ほど ※平均的な目安 |
一文字も問題文が読まれぬうちにクイズに正解し、優勝するなんてことがあり得るのだろうか…。
クイズ界において衝撃的な出来事から物語は始まります。
その出来事は『Q-1グランプリ』というテレビ番組(生放送)の決勝で起きたことなんです。
圧倒的な速さで正解し、呆気ないフィナーレで幕を閉じたQ-1グランプリ。
“優勝者である本庄絆はなぜ正解を導き出すことができたのか”
とにかく、この一点を解明する為に、対戦相手である三島玲央が立ち向かいます。
真相解明のために、決勝戦を振り返り、本庄のことを徹底的に調べていく。その中で、自分自身の記憶についても巡っていく。
そして、たどり着いた真相とは。
本書の魅力を解説
ここからは本書の魅力を深掘りして、
紹介いたします。
クイズは世界と繋がる
正直なところ、物語を始まりから終わりまで一直線に結ぶだけでは、本書が秘める奥深さや魅力を見落としてしまうでしょう。
本書の最大の魅力は、物語の結末ではなく、その過程にあると思っています。
結末は、驚きを求めるものではなく、「なるほどなぁ」と静かに納得できるような、過程を味わったからこそ心に響くものだと感じました。
だからこそ、本書を読むときは、“結末にたどり着く”ことだけを目的にせず、ぜひ思考の寄り道を楽しんでほしいのです。
クイズとは、単なる知識の暗記ではありません。
知識を得るということは、世界そのものに繋がるということ。
私は本書を通じて、クイズの枠組みがグッと広がる感覚を味わいました。
そして、その広がりの代償として、自分がちっぽけな存在に感じたのも、また面白かったのです。
自分の内面にある『知らないことを知りたい』『分からないものを理解したい』という知識欲が強く刺激された瞬間でもありました。
競技クイズの奥深さ
物語を読む上で、これまで思っていた普通のクイズの常識や認識が大きく更新されるはずです。
例えば、クイズと言えば、普通は知識量が多い方が勝つと思うでしょう。
ところが、クイズが“競技”となれば、要素は大幅に増えます。
表面的な部分を超えた、奥深い『読み』と『駆け引き』、そして『戦略と心理戦』の世界で成り立っているのです。
スポーツの世界では1mmで結果が変わることがありますが、クイズは1単語、1文字で変わる世界と言えます。
本書は物語を通じて、競技クイズの世界を楽しめる1冊でもあります。
人生を打開していくヒント
思考の寄り道をしながら、競技クイズの面白さを堪能する。
そうして行き着いた先は、人生でした。
気付けば、自分の考えは、またしてもスケールの大きなところへと巡っていたのです。
目の前の人生を打開していくには多くの知識が必要でしょうか?
確かに必要な知識もある。ただし、見落としがちなのは“既に自分が積み上げてきた過去”です。
どれだけ経験値が少なかったとしても、人は自分なりに過去を積み重ね、その上で人生を歩んでいるのです。
そして、その過去こそが、“誰にも奪われることのない、自分だけの武器”
つまりは、目の前の人生を打開するための大きなヒントなのです。
そんな思考の旅もぜひ楽しんでください。
感想
慣れ親しんだクイズを題材にしながらも、その枠を超えた深みのある物語構成に惹かれました。
競技クイズのおもしろさから世界あるいは人生へと飛躍する可能性が秘められた物語。
まるで、『あなたはこの物語から何を考えるか』という読者への問いかけのようにも感じます。
目の前の何気ない日常の中でふと抱いた疑問が、自分の意識次第で世界との新たな繋がりになる。
おおげさかもしれませんが、そんなことすら感じたのです。
だからこそ、少しでも本書が気になった方は手に取ってほしいと思います。
ぜひ、本書の奥深さを実際に体験してください。
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