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ご覧いただきありがとうございます。
今回ご紹介する一冊は青山美智子さんの
「猫のお告げは樹の下で」です。
2018年に発売され、青山美智子さんの
初期作品の一つです。
青山さんの作風・特徴が
しっかりと表れた1冊。
数年経っていても初期作品の良さは
変わらず、より味わい深いのです。
では、あらすじと個人的なポイント、
感想をご紹介します!
※できる限り具体的なネタバレを避けています。少しでも知りたくない方はご注意ください。
あらすじ
ふと立ち寄った神社に現れた
お尻に星のマークがついた猫。
その名を『ミクジ』と言うらしい。
訪れた人はタラヨウの葉っぱを授かる。
その葉には何やら文字が…
失恋のショックから立ち直れない
ミハルには『ニシムキ』
その神社の宮司からは、
「その“お告げ”を
大事にした方が良いですよ」
と言われたミハル。
お告げ……?
その後”西向き”のマンションを買った
少し苦手なおばの家を訪れるが…。
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お告げの意味にきづいたとき
ふわっと心があたたかくなる
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中学生の娘と仲良くなりたい父親。
なりたいものが分からない大学生。
20年来の夢を諦めるべきか迷う専業主婦。
なんでもない言葉をきっかけに、
目の前の世界はガラッと変わる―。
猫のお告げが導く7つのやさしい物語。
ヒントにこそ物語あり
青山さんの本は答えを示すのではなく、
常にヒントが降ってきます。
意識しなければ見逃してしまうような
何気ないことなんです。
それをヒントと捉えることから
物語は動き始めるのです。
ヒントである以上、遠回りも必要。
そんな遠回りがあるからこそ、
温かな物語が誕生するんです。
そして、読みながら気付くんですよね。
『あぁ、この物語に込められたものは
自分にも必要なことだな。』
スーッと心の風通しがよくなり、
気持ちが軽くなる感じがするんです。
つまり、読者の私たちにとっても
ヒントになる1冊になります。
読み終わった後に読者にも
お告げがあるということですね!
物語の雰囲気作りもお見事
多くを語らないミクジと宮司さん。
これがまた、物語全体の雰囲気を
壊さずに大切にしてくれます。
物語の細かな部分にも手入れが
行き届いているかのようです。
そんな青山さんの丁寧さが
温かな物語に魅力も加えます。
ちょっとしたユーモア要素が
ふいに顔を出したり。
角張った物語ではなく、
丸みを帯びた優しさがあるのです。
青山美智子さんの
優しい眼差しを感じるようです。
この雰囲気は他の作品も読むことで
より感じるのではと、思います。
是非、複数作品に目を通して、
世界観を楽しんでみてください。
〇青山美智子さんの作品一覧
過去作から新作までをご紹介!
作品をまとめた記事はこちら!
最後に
好きな作家さんの本を楽しむなら
やはり初期作品は欠かせません。
その逆に、読むきっかけとしても
初期作品はおすすめです。
世の中の数多くある物語の中から
本という形で実現したものです。
きっとその過程にも多くの物語が
あることだと思います。
その背景を背負ってできた
初期作品は、必読書です。
個人的にはあまり順序を気にせずに
読むタイプです。
最新刊を読んだ後に初期作品に
遡るのもおもしろいので、
是非、手に取って読んでみてください。
最後まで読んでくださり、
ありがとうございました!
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