【感想とおすすめポイント】家族シアター/辻村深月

おすすめ本

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ご覧いただきありがとうございます。

今回ご紹介する一冊は辻村深月さんの
「家族シアター」です。

辻村深月さんと言えば、

「かがみの孤城」
「ツナグ」
「凍りのくじら」等

人気作品とともに知る人も多いかと思います。

家族シアターを読むきっかけになったのは、
Xのフォロワーさんからの紹介でした!

本を知るきっかけは様々ですが、
SNSでの読書仲間の声も大事なんですよね。

一人で楽しんでいるだけでなく、
楽しみの幅が広がります。

今回の「家族シアター」も読んで良かった1冊で
紹介くださった方には感謝です。

特に後半になるにつれて、
感動が右肩上がりでした。

後ほど書きますが、この本の家族については
読む人によって様々な感じ方があるはずです。

では、あらすじと個人的なポイント、
感想をご紹介します!

※できる限り具体的なネタバレを避けています。少しでも知りたくない方はご注意ください。

あらすじ

家族の中にささやかな事件あり。

家族を描く短編集。

■サイリウム

アイドルオタクの弟、バンギャの姉。
犬猿の仲と言える程、衝突は絶えない。

そんな中、盗み見ている姉のブログに
不審な投稿が―

それを境に覇気をなくしていく姉。

犬猿の仲でありながら、
その時弟は何を思うのか。

■タイムカプセルの八年

嫌々ながら参加することとなった「親父会」

息子が小学六年の一年間限り。

息子は熱血漢の担当教師に憧れる。
『夢は学校の先生になること』

担当教師が企画し、卒業を機に
タイムカプセルを埋めることになったが…

8年後、思いもよらぬ秘密が明かされる。

真面目な姉を鬱陶しく思う妹や
娘の考えていることが理解できない母…。

家族を描く、心温まる全7編

家族という矛盾

家族はとにかく矛盾に満ちています。

読み始めると家族の温かさを感じるよりも、
先にヒヤリとした感覚を感じました。

第一印象は
 『心がえぐられる』

というように、言い方は悪いのですが、
率直にそういった印象でした。

それは家族だからこそ存在する
“特別な距離感”にあるんだと思います。

自分の領域に土足でズカズカ
入ってくる感覚です。

では、家族というのは、
どういった関係なのでしょうか。

物語の中でも互いに容赦ないの姿が
描かれています。

干渉しすぎたり、必要のない言葉まで
投げつけたりしてしまうものです。

ところが、自分が家族に与える影響は
意外と強く意識しているもんです。

例えば、自分のせいできょうだいが
誰かに何か思われたらどうしよう…。

こういう思いは無意識だとしても
存在するのだと思います。

知らず知らずのうちに家族の一員として
責任感を持っていることも読み取れます。

そして、仲間のピンチには本来持つ以上に
力を発揮するマンガの世界のように。

家族のピンチには“無類の強さ”
発揮するのです。

そういった不思議で矛盾だらけの
特別な関係だということを感じました。

その分、読者によって、家族に対する感じ方や
反応は様々なんだろうなと思いました。

家族の逆転劇

家族には逆転劇を起こす力あり。

他人からすれば“家族なんだから”と、
理想の姿を思い浮かべるかと思います。

ところが、家族に存在するのは矛盾だらけ。

ささいな事件が頻発する小さな集団なのです。

家族とは言え、時には修復不可能と思われる
ような出来事だってあるものです。

ただし、いつでも逆転できる力
備わっているとも思います。

『逆転サヨナラホームラン』という劇的な
逆転劇は必要ありません。

当たり損ないのボールがなぜか、
試合を決定付ける一打になる。

偶発的なのか、必然なのか分からないのに、
一つのきっかけで良い方向へ転ぶものです。

そして、絆を強固にしていくのです。

そのおもしろさが家族シアターにはあるので、

『うわっ、分かるわ…』と、
甘さだけでない苦みもリアルに感じました。

読者の感じ方により甘さと苦みの割合
変わってくるのではとも思います。

そういったポイントも魅力の一つとして
楽しんでいただけるのでは、と思います。

最後に

様々な家族の形を観ながら、
自分の感じ方を楽しむ

そんな1冊になってると感じました。

どの話に感動するのか、感傷的になるのか、
自分の家族の捉え方が分かるかもしれません。

一味違った家族の物語を是非楽しんでください。

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では、最後まで読んでくださり、
ありがとうございました。

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