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ご覧いただきありがとうございます。
今回ご紹介する一冊は湊かなえさんの
「C線上のアリア」です。
後味の悪さが魅力である“イヤミス”
湊かなえさんの代名詞ですが…
今作は、イヤミスではない!
今回は『介護×ミステリ』のテーマで
挑戦したということです。
作家さんの挑戦というのは、
読者にとっても非常に興味深いこと。
しかし、読んで思ったのは
『これは介護ミステリなのか…?』
ということです。
その理由も含めて、感想やおすすめ
ポイントをまとめています。
ぜひ参考にしていただければと思います。
※できる限り具体的なネタバレを避けています。少しでも知りたくない方はご注意ください。
あらすじ
金庫が見つかった。
このごみ屋敷で。
そこは美佐が育った家だった。
久しぶりに家に戻ることになったのは、
そのごみ屋敷を片付けるためだった。
見つかった金庫に託されたものは
物語を紐解くもの。
そう、家族にさえ言えなかった
“叔母の秘密”
あなたはこの「介護ミステリ」で、
難解な人生を紐解くこととなる。
タイトルの謎
バッハが作曲した『G線上のアリア』
をもじったタイトルが印象的な作品。
ヴァイオリンの最も太い弦である、
G線だけで演奏できる曲として有名です。
そこから来たタイトルには、
何らかの意味を考えたくなります。
つまり、Cにまつわる物語。
いえ、Cの線上に浮かびあがる物語と、
考えられるのです。
そこで、話を覆すようなことを
言ってしまうのですが…
実は『G線上のアリア』は元々、
一つの弦では弾けなかったそうです。
後々、編曲された結果、
一つの弦で弾けるようになったんです。
これは湊かなえさんも
ご存じだとは思うのですが…。
では、なぜこのタイトルにしたのか、
想像は膨らむばかりなんですよね。
タイトルに関することを作中でも
触れている部分があるので注目です!
人を紐解くことが介護
ミステリでありながら、この物語には
“介護の大きなヒント”があるのです。
介護はミステリ以上にミステリアスで
非常に難解なものだと思っています。
介護とは、“人を紐解く”
ということに他ならないからです。
そういう意味では、介護とミステリは
共通することもあるでしょう。
人生にはポイントになるような
様々な出来事があるはずです。
その一つ一つが人生の文脈となり、
人生の背景となっていくのです。
そこを紐解かなければ、
人のことを理解はできないはずです。
そして、理解しないままの介護は、
行き止まりの多い迷宮になるのです。
過去を抱えたミステリ
そこで思うんですが、これは介護ミステリ
と呼ぶべきなのでしょうか。
介護ミステリではないと、
否定したいわけではないんです。
金庫やその中で見つけた物の謎。
ミステリを紐解く、
重要な手がかりである日記。
しかし、最も大事な要素は、
“過去の生きてきた証”そのものです。
ミステリの枠の中で、
介護の大切な部分に触れているんです。
想像以上に、介護に対しての
様々なメッセージが詰まっています。
そういう意味で、ミステリの枠を越えた
奥深い作品だなと感じたんです。
最後に
介護はその人の人生の文脈に、
ヒントを探すことが必要です。
例えば、プロの介護職はその人の
人生の終盤で関わります。
つまり、これまでの積み重ねを
殆ど知らないままなのです。
ミステリを解く為の手がかりが
殆どない状態だと言えます。
だからこそ、人生の上巻部分が
どうしても必要になるんです。
何か介護とミステリが重なり合う、
不思議な感覚の作品でした。
ミステリだけでなく、介護に関心が
ある方も是非、読んでみてください。
最後まで読んでくださり、
ありがとうございました!
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