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ご覧いただきありがとうございます。
今回ご紹介する一冊は青山美智子さんの
「月曜日の抹茶カフェ」です。
デビュー作『木曜日にはココアを』の
続編となります。
ココアから抹茶へ。
より濃く深い物語へと成熟したような
続編となっています。
また、続編から読んだとしても、すぐに
この世界観に浸かることができます。
どちらから読んでもお互いの物語に
奥行を出してくれる相互作用あり!
では、あらすじと個人的なポイント、
感想をご紹介します!
※できる限り具体的なネタバレを避けています。少しでも知りたくない方はご注意ください。
あらすじ
川沿いの桜並木の切れ間に佇む
喫茶店『マーブル・カフェ』
定休日の1度だけ『抹茶カフェ』が
開かれた。
ツイていない携帯ショップ店員
愛想のない茶問屋の若旦那。
1枚の抹茶から始まった物語は
東京と京都を繋ぐ。
人は知らず知らずのうちに、
誰かの背中を押している。
京都老舗和菓子屋の元女将も…。
ランジェリーショップの店主も…。
気付いた時、その縁は…
きっと宝物になる―。
『木曜日にはココアを』のおなじみメンバーも
登場する、シリーズ続編。
繋がりは”縁”
青山美智子さんの特徴である
連作短編集。
ただ話が繋がっていたり、登場人物に
共通点があるだけではないのです。
例えば、1話目に出ていた主役以外の
人物が2話目には主役になっている。
こういった視点の切り替えがあるので、
物語に深みが出てきます。
主役が一人だけだった場合、
知ることのなかったストーリー。
これが大切に扱われているのが
特徴的なのです。
それぞれの人物に異なる考えや背景があり、
繋がっていくわけです。
それは本当に奇跡的なことであり、
まさに“縁”が繋がるということ。
そして、縁を繋いでいくには
行動や考えも大切なのです。
一人一人のほんの少しの行動が
思わぬ縁を繋いでいくのです。
そんな繋がりの最初と最後を
青山さんと読者だけが知っている。
読み終わった後、この喜びに
満たされるのではないかと思います。
続編の楽しみ方
続編ではあるのですが、
どちらから読んでも良いと思います。
1作目を読んで今作を読むという
“王道パターン”を進んでも良い。
2作目から1作目を読むという
“過去に遡るパターン”でも良い。
王道パターンでは、
『あの人はどうなったの?』
というように今作では登場シーンが
少ない人物がいます。
そこは想像を膨らますことで、
楽しんでみると良いと思います。
これも小説の楽しみなんですよね!
逆に過去に遡るパターンでは、
さらに隠れた縁を掘り出すことになります。
どこから湧いてくる水なのか。
その“源泉”を知る楽しみがあります。
前作と今作という関係よりも
相互作用のある2冊だと思いました。
いずれにしても楽しめますが、
迷った方は王道パターンでOKです。
最後に
デビュー作の続編が読めるというのは、
読者としてワクワクしました。
デビュー作が高く評価されたという
証でもあると思います。
そういう意味でも、是非、
2冊とも読んでみてください!
最後まで読んでくださり、
ありがとうございました!
〇単行本
〇文庫版
〇前作『木曜日にはココアを』(単行本)
〇前作『木曜日にはココアを』(文庫版)
〇青山美智子さんの作品一覧
過去作から新作までをご紹介!
作品をまとめた記事はこちら!
https://hiroaco.com/aoyamamichiko/
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