【感想とおすすめポイント】赤と青とエスキース/青山美智子

おすすめ本

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ご覧いただきありがとうございます。

今回ご紹介する一冊は青山美智子さんの
「赤と青とエスキース」です。

実は青山美智子さんの本を
初めて手に取ったのがこの作品でした。

温かく美しい物語に一気に魅了され、
他の作品を読むきっかけとなりました。

そして、過去作等も読んでいく中で
再読してみるとまた新たな発見が…

実は様々な角度から楽しめる1冊で、
非常に人気の高い作品です。

2024年9月10日発売にて、
文庫化されることにもなりました!

では、あらすじと個人的なポイント、
感想をご紹介します!

※できる限り具体的なネタバレを避けています。少しでも知りたくない方はご注意ください。

あらすじ

メルボルンに留学中の女子大生・レイ

現地に住む日系人・ブー

ふたりは恋に落ちる。

しかし、ふたりの恋は
『期間限定』であった。

期間限定の恋が始まる第一章。

この恋は呆気なく終わるのか…
__________________

第二章

レイの帰国前に“一枚の絵”
描かれた。

若手画家ジャック・ジャクソンの描いた
『絵画(エスキース)』

十数年の時を経て、
その絵は日本に渡っていた。

そこは額縁職人・空知のいる
額縁工房であった。

その後、絵画(エスキース)は
第三章・第四章…と巡り巡っていく。

その絵画は”ふたり”の間に
奇跡を紡いでいく―。

最後に花開く感動の物語

物語の最後に、
この本のすべてが繋がります。

この物語の積み重ねてきたものが
最後に花開かせます

これはもう、青山美智子さんの
物語の温かさを存分に引き出す展開。

今回の作品は特に最後の展開が
さりげなさ過ぎて、

『えっ…?』

となる方が多いかと思います。

空白の数十年が、
一気に埋められたような感覚です。

各章の色合いが急に濃くなるようで、
すぐに最初から振り返りたくなる物語

ジワ~っと温かみと感動が広がる。

しかも、この展開の中には大事件や
劇的な出来事があるわけではないんです。

大きな起伏で感情を揺さぶるよりも
密かにジワジワ温めていく。

そして最後に花開く。

ここに青山美智子さんの物語の
良さやすごさを感じるんです。

優しさや温かさの伝わり方が
最高に良いんです。

1冊のアート作品

様々な仕掛けが施された1冊。

これは話の内容だけでは語れません。

例えば、この本の装丁(表紙)を見ても
物語の様々な場面が浮かびます。

この本の最初に見るのは、
1ページ目ではありません

この装丁をじっくり見ることから
物語を始めるべきだと思うのです。

それくらいこの物語を凝縮した装丁
だなと思ったんです。

装丁の絵は水彩作家U-ku(ゆーく)さんの
作品が使われています。

青山美智子さんがこの本の製作段階で
出合った1枚の絵だそうです。

それ以外にもタイトルの色や
各アイテムに裏表紙の額縁。

物語の大切な要素を取り出して
作られたような装丁です。

そんな細部へのこだわりが
存分に楽しめる作品なんです。

読む前に始まり、
読み終わったてもまだまだ続く。

1冊のアートと言えるような本です。

最後に

過去作を読んでいる方は
嬉しい気づきもあります。

詳しく言うとおもしろくないので、
こちらの1冊をおすすめします!

【感想とおすすめポイント】鎌倉うずまき案内所/青山美智子
「はぐれましたか」。ここは古ぼけた時計屋の地下へ下りた先にある『うずまき案内所』。螺旋階段を下りると、双子のおじいさんとアンモナイトが…。平成時代を6年ごとにさかのぼり、6人の悩める人々が交差する連作短編集。

物語内での仕掛けだけでなく、
全作品を通して読者を楽しませてくれます。

是非、過去作と合わせて、
読んでみてください!

最後まで読んでくださり、
ありがとうございました!

〇単行本

〇文庫版

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